容量表示の切り分け
NASの容量がディスクのラベルより少なく見えるとき
購入したディスクの合計とNASの画面が違っても、ただちに故障とは限りません。RAIDの冗長データ、10進と2進の単位、製品が使う領域を分けて確認します。
以下の数字は説明用の架空例です。NAS画面やディスクを実機で確認した結果ではありません。再構築・初期化などの操作手順を示す記事でもありません。
例: 8TBの同容量ディスク4台でRAID 6
ラベルにある容量を合計すると32TBです。ツールのRAID 6計算では、同容量ディスク4台のうち2台分を冗長データに使うため、予約前の理論容量は16TBになります。ここで予約領域を試算用に10%入力すると14.4TBです。
(4台 − 2台分) × 8TB = 予約前16TB
16TB × (1 − 10 ÷ 100) = 予約後14.4TB
14.4TB × 1012 ÷ 240 = 13.0967...TiB ≒ 13.10TiB
| 段階 | この例の値 | 何を表すか |
|---|---|---|
| ラベル容量の合計 | 32TB | 8TB×4台の単純合計 |
| RAID 6・予約前 | 16TB | RAID式で冗長領域を引いた理論値 |
| 予約10%を入力 | 14.4TB | このツール内で利用者が指定した概算値 |
| 2進単位へ換算 | 約13.10TiB | 14.4TBを240 bytes基準に換算 |
確認する順番
- ドライブ本数とRAID方式: NASで選択した方式と、ツールに入力した本数を合わせます。RAID 5はこの計算で1台分、RAID 6は2台分を冗長領域として差し引きます。
- 表示単位: ディスクのラベルは十進のTB、画面は二進のTiB相当を使うことがあります。1TBは約0.91TiBです。表示名にTBとあっても計算基準を確認してください。
- 製品固有の領域: システム用領域、ファイルシステムのメタデータ、ホットスペア、未割当領域などがないか、そのNASの管理画面と公式資料を確認します。
- 同じ条件で照合: メーカーのRAID計算機や対象モデルのマニュアルで、ドライブ本数・容量・RAID・ファイルシステムを揃えて比べます。
比較ツールで例を再現する
- RAID容量比較ツールを開く。
- 本数「4」、1台の容量「8TB」、予約領域「10%」を入力し、「RAID 6」を選ぶ。
- 予約前「16TB」、予約後「14.4TB」、予約後「13.10TiB」になることを確認する。
- 予約領域を0%にすると、同じ入力で16TB・約14.55TiBになる。予約入力だけで減る量を切り分けられる。
本ツールは、同容量2〜16台のRAID 1・5・6・10の式、利用者が入力した予約割合、TB/TiB換算を表示します。14.4TBや13.10TiBはこの式による予測値で、実機のボリューム容量ではありません。
このツールだけでは診断できない差
- NASの機種、OS、ファイルシステムが確保する実領域やボリューム上限。
- 容量が異なるドライブ、メーカー固有のRAID方式、ホットスペアや交換中ディスク。
- 画面の値が正常か、ディスク故障やアレイの劣化があるか。
製品固有の差の例として、Synologyの公式RAID Calculatorはシステム用領域やボリュームメタデータを別に説明し、機種による制約確認を案内しています。まず利用中のモデルに対応した説明と管理画面を照合してください。原因が分からない、警告や劣化表示がある場合は、状態を変更する前にメーカーのサポート情報を確認してください。
一次資料: Seagate「Storage capacity measurement standards」、Synology RAID Calculator(いずれも2026年9月25日確認)。単位換算は製品仕様ではなく1012 bytesと240 bytesの比です。